パティシエ見習い in ドイツ

ドイツのケーキ屋で見習いしてました。日々のつぶやきと製菓・カフェにまつわる情報の記録。

不発弾の爆発

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本日、ミュンヘン市内にて第二次世界大戦中の不発弾が爆発し、鉄道の運行が大幅に乱れる、ということがありました。

死者が出ず、それほど大事のようには捉えませんでしたが、色々と思いをめぐらすことがあったので、お伝えさせていただきます。

 

今日は、週に一度の学校の日でした。

私が通っている製菓学校はミュンヘン市内にあり、学校の休憩中に鉄道で一駅先のカフェに行き、さあ学校に戻るか、とカフェを後にしたところで、「バス停はどこか知ってる?鉄道が走ってないんだ。」と尋ねられました。

私に話しかけてきたのは外国人。

「多分ここに詳しくないか、ドイツ語があまりできなくて、掲示板がしっかり理解できなかったのかなあ。」と思いながらバス停の場所を伝え、一応鉄道の駅に行くと、本当に〇〇駅~〇〇駅間運航中止と表示がされて、私もかけ足で急いで学校へ戻ったというわけです。

とはいえ、今までこの二駅間は電車が大幅に遅れたり、工事の都合で電車が運行中止になったりすることもあったので、いつものことか、程度にしか思いませんでした。

 (ドイツ鉄道は遅延が頻繁で、ドイツ人からも皮肉されるほどです。)

学校に着いて爆発があったらしいと聞き、クラスの皆も鉄道が通常運転してないみたいだからどうやって帰ろうか、と話し合い始めました。

 

結構な事件だったのか、と感じたのは帰り道。

友達が「乗り換えは沢山しなきゃいけないけど、このルートで電車乗り継げば家まで帰れるよ。」と教えてれたので、帰りは一人でしたが、意外と焦りや不安はなく落ち着いていました。

ただ乗り換えのため、ミュンヘン中央駅に到着するや、鉄道を待つ多くの人が。

もしかしたら鉄道が利用できない可能性があるかな、とは思ってはいたものの、「〇〇駅に行きたい人は鉄道ではなく、トラム(路面電車)を利用してください。」というアナウンスが入りました。

路面電車も中央駅の周りは沢山の路線が走っているので普段利用していない人にはややこしく、周りの人に聞きながら、正しい乗車場所を見つけました。

こうやって、ドイツ語ですぐ人に尋ねられるようになったのも成長かな、なんて思いましたが、ドイツに来て間もない人が今日の状況だったら落ち着かなかっただろうなと思います。

 

ああ結構な出来事だったんだと思ったのは、まず鉄道を使わずに路面電車で結構な遠回りをしなければならなかったこと、それから、普段満員にならないドイツの路面電車が、日本の通勤ラッシュの時のようにいっぱいになっていて、乗車したい人も乗れない状況だったからです。

(いや、正しく言えばまだ乗車できる状態。日本の満員電車に比べたら全然ましなのですが、こちらの人にとっては異常な乗客の量なようで、「乗れないものは乗れないんだよ!いっぱいなんだ。」という声が聞こえてきました。いや、大阪や東京恐るべし。)

 

ところで、中央駅で電車を待ってる際にふと思ったんです。

夕方でホームが少し暗く感じたからそんなことを想像したのだと思いますが、戦時中や震災などで家族と離れ離れになっていたり、これからどう帰ればいいかわからなくて不安だったりする人の世界はもっと暗くどんよりしているんだろうな、と。

 

それから、路面電車に乗っている時にも、日本で地震が起きて交通機関が乱れたら、、、家族と連絡が取れなくなったら、、、、という考えも、決して重くずっしりのしかかってきたわけではないのですが、ふと頭をよぎりました。

 

今回、この事件をそれほど重く捉えていた人はほとんどいないと思うし、ああ帰りが遅くなって乗客も多くて疲れたな、と思った程度だと思うのですが、

私は何故か、「いつ何が起こるかわからないな。」と感じてしまいました。

 

帰り道、今回の事件について家族に連絡していたのですが、日本で大きな地震が起きて家族でうまく連絡が取り合えずなかなか会えないということも起こるかもしれません。

写真は、母親と大阪は箕面の滝を訪れた時の写真でした。

当たり前が当たり前であること、それだけできっとありがたいことなんだ。

それから、いつものことか、と軽く捉えていることが一大事につながる、ということもあるかもしれない、とも思いました。