パティシエ見習い in ドイツ

ドイツのケーキ屋で見習いしてました。日々のつぶやきと製菓・カフェにまつわる情報の記録。

2024年春~愛おしいと思えること~

ぽかぽかとした春のぬくもり。

咲き誇る桜の花々の間からのぞく太陽の光。

小鳥のさえずり。

人々の温かな話し声。

春の空気感は、優しく、穏やかで、軽く、明るい。

 

春が好きだ。桜の咲く頃が特に。

 

4月から小学校に入学したのであろう女の子が、咲き誇る桜の花々の下でランドセルを背負い、お母さんに沢山写真を撮ってもらっている。

その傍らでは、運動場でスポーツに打ち込む家族の声が響き渡っている。

自分自身の幼少期がわずかに蘇ると同時に、それぞれの気持ちに少し思いを馳せて、私の心まで温まるみたいだ。

 

そして、桜の木々の下でシートを広げ、お弁当やお話を楽しむ人々の笑い声や話し声は、明るい空気に包まれている。

沢山話して、沢山笑顔になれる、ということは幸せなことだ。

 

私は、

自分の過去が蘇ってきて、それがなんだか自分のものではないような、

いや、そうではなくて、もう同じことは繰り返せないかけがえのないものなんだと気づいたんだろうと思う。

辛かったはずの過去までもが、愛おしくなるような感覚になった。

 

そして、こういう風に過去を振り返れるっていうことは、

生きることは素敵なことかもなと思えた。

 

こういう風に書くと、物凄く感慨深く思いにふけっていたように聞こえてしまうのだろうが、

実は、ほんの束の間、自分の中で沸き上がった感情を文字に起こして整理している感じだ。

 

残りの人生もそんな風に、愛おしく振り返れるものであってほしい、と思ったんだと思う。

自分の人生をまた少し生き抜いてみたい、そういう気持ちになれた。

その生き抜く、ということが、自分自身のために突っ走る、そういう尖ったものではなくて、周りにも与えられる形の柔らかさを持ったものでありたい。

 

失ってしまったからこそわかるありがたみ。

苦しんだ分味わえる嬉しさ。

痛みを経験したからこそわかる優しさ。

それに気付けている今が何だか愛おしい。

 

まだまだ人生半ばで、私の言っていることなんて、人生の先輩からしたら、お子様なのだろうけれど。

 

 

私はまた、愛しいと思えるものを増やしていきたい。優しく穏やかに、でも強く前に進んでいきたい。

2024年春の私の報告です。

 

 

 

PS

去年の今頃の私は、ドイツから帰国して就職を決めた職場を半年で辞める決断をし、今まで経験したことのない渦の中にいました。

自分の決断を間違いだとは思ってはいませんでしたし、正解にするしかないとも思っていました。

あれから1年。その選択をしたことは間違っていなかったけれど、私は今までの自分みたいに一生懸命に打ち込めきれていない自分をもどかしくも思っていました。

ただ、これからまた自分の人生を生き抜こうと思えています。

ドイツから帰国して早くも1年半以上が経ちました。

人生はやっぱり、きっとあっという間です。

 

昔みたいに若いエネルギーで全速力で!というわけにはいかないと思いますが、

自分のバランスを保ちながら駆けていこう!