パティシエ見習い in ドイツ

ドイツのケーキ屋で見習いしてました。日々のつぶやきと製菓・カフェにまつわる情報の記録。

エレクトーン

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昨日久々に、念のためにと日本から持ってきていた録音機の、自分の演奏を聞きました。
皆さんはエレクトーンという楽器をご存知ですか。

ヤマハが開発した電子オルガン。
エレクトーン1台で様々な楽器の音を奏でることができ、ひとりでオーケストラやバンドのような演奏ができる、とても魅力的な楽器です。

昨日、コンクールのために練習していた曲などの自分の録音を聞いていて、ああ、やっぱりまた演奏したい、自分が日本に帰りたい原因のひとつはやっぱりこれだな、と気持ちを再確認しました。

ドイツでエレクトーンを見ることはありませんし、ヤマハ音楽教室などもありません。
エレクトーンに対する思いは一言では言い表せません。
ただ、ドイツに残るという選択肢を考えてみる時、エレクトーンが頭をよぎり、違う、となります。

小さい頃からエレクトーンを習わせてくれた親に感謝です。
楽器自体がとても高価なうえ、月謝もとても高いエレクトーン。
3人姉妹のうちの家庭では、習い事をさせるのも経済的に本当に大変だったと思います。
母親がよく「月謝高いんだから無駄にしないで。」と言っていました。

私が一時期エレクトーンのレッスンを辞めたくなった時、それでも続けさせてくれてありがとう。
その後とっても好きになりました。

大学に入って、新しいエレクトーンが欲しくなった時、母親に「買ってあげられないから自分で買いなさい。」と言われ、
死にものぐるいでバイトをしてお金を稼いだ時に、親の大変さを感じました。

実は、高校進学の時、音楽科のある高校に行きたくて母親に言いましたが、反対され、それに対して強く自分の思いを伝えることができなかったという過去があります。

そんなわけで、私は地元の進学校に進学し、大学ではドイツ学を学ぶことにしたのですが、それでも大学の中盤までは、その選択が間違いだったのかもしれないと大学を辞める考えもよぎり、自分の生きている意味などを問う闇の時代でした。

そんな私が今こうしてドイツにいるのです。

こちらの生活は色々と恵まれていると思います。
それでもやっぱり日本でやりたいことがたくさんあるなあ。

日本はコロナで変わってしまったでしょうか...
1年ほど前になりますが、社会人になってからレッスンに通っていた頃お世話になっていたエレクトーンの先生と連絡を取ることがあり、コロナで厳しい状況だそうでした。

コロナを通して私達が当たり前でないと思っていたことが当たり前として浸透しつつある世の中。
将来を考えると少し暗い気持ちになることがあります。
私が期待しているような、日本での未来もないのかもしれませんが、今は自分が日本でやりたいことを明るく思い描いて、こちらでの生活もポジティブに乗り越えよう!