先日、『あん』という映画をドイツ語で鑑賞しました。
ドイツ語のタイトルは"Kirschblüten und rote Bohnen"(桜と小豆)となっていました。
『あん』というのはあんこのことです。
映画が気に入ったのと、1回だけではドイツ語が上手く理解できていないということがあり、2回見ました。
あらすじはざっと、印象に残ったことに焦点を当てて書かせていただきます。
こじんまりとしたどら焼き屋を営む千太郎のもとに、求人を見たひとりのおばあさん(徳江さん)が働きたいと申し出ます。
おばあさんを雇うことに躊躇していた千太郎でしたが、彼女が手渡したお手製のあんこの味に魅了され、彼は彼女を雇うことに。
私が印象に残ったのは、まず、徳江さんがあんこを作る時に、小豆の辿ってきた歴史に思いをはせ、丁寧に調理するところ。
食べ物を口にする時に感じることなんですが、愛情をこめて丁寧に作られたものはやっぱり美味しいなと思うんです。
それから、心に残った彼女の台詞があります。
"Selbst wenn wir nicht das werden , was wir einmal werden wollten, gibt es für uns doch, für uns alle einen Sinn in unserem Leben."
「たとえ、私達がかつてなりたかったものになれなかったとしても、私達には皆生きている意味があるのよ。」
徳江さんは過去に様々な苦悩があり、どら焼き屋で働けることを心から楽しんでいるようで、その姿もとても印象的でした。
私も、自分がなりたいと思うものになれなかった、というよりも自分の意志を強く押し通せなかった過去があり、自分の生き方に苦しんできました。
今こうしてドイツでケーキ屋の見習いをやっているのも、一番にやりたかったことではありませんが、なれなかった道を捨てて、この道でなら自分の才能とやりたいという気持ちを試せるのではないかという思いで、かけているところが大きいです。
いつか自分のお店を開いた時には、商品に愛をこめて、愛情を持って仕事をしたいなと思うんです。綺麗ごとばかりにはいきませんが、そういった気持ちというのはお客さんに届くものだと思っています。
さて、映画中に桜の風景も沢山出てきますが、私は日本だと春が季節の中で一番好きです。
いつも春になると、桜を見ては、入学式など新しい始まりの時期ということもあってか、新しい自分になれるような、新しい気持ちでまた生活を始めれるような、新鮮な気分を抱いていました。
だから、ドイツではよく桜が恋しくなります。
日本にいる時に撮った写真を少し。






その時々の桜にたくさん思いが詰まっています。
桜の写真を見返していたら色々思い出しました。
あの時の私があって今の私がある。