パティシエ見習い in ドイツ

ドイツのケーキ屋で見習いしてました。日々のつぶやきと製菓・カフェにまつわる情報の記録。

ストライキと引っ越し。

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9月29日、以前の職場の最終日だった。

運が悪いことに、この日ミュンヘンでは、地下鉄(U-Bahn)がストライキにより午後18時まで完全に運転していない、という事態。

仕事終わり、代わりにバスに乗って帰ろうとしたら、なんとバスも通常通りの営業はしておらず、本数を減らしてなのか、電光掲示板の予定の時刻に全然来ない。。。

約束した退居の時間に間に合わないよおぉ(泣)、と冷や冷やしながらも、大丈夫大丈夫、と言い聞かせる。

 

日本で主要交通機関が運転停止したら、会社員など「仕事行けへんやんけ。どうしてくれんねん。(大阪のおっちゃんのイメージ。なんだか大阪弁は強そうで好きだ。)」と苦情を言いそうなのに、ストライキが行われても成り立つドイツ社会。

 

ドイツは意見を主張するのが当たり前な文化だからこそ、国民がストライキを受け入れやすいのか...

やっぱり日本人は仕事に対しておかしいほどに真面目だよなあ、だから自殺者が出たり、心に余裕がない人が多かったりするんだろうなあ...

と考えをめぐらす。

 

退居時間は少し遅らせてもらったけれど、部屋の手入れについて特に厳しい駄目出しを受けることなく、Kaution(敷金)を全て返していただき、無事部屋を出ることができた。

 

私が住んでいたのは社員寮で、下には勤務先のパン屋兼ケーキ屋の店舗があった。

退居間際ものすごくバタバタしていたせいか、最後にサンドイッチとコーヒーをごちそうしてもらい、朝食用のパンもプレゼントしていただいた。

販売員の方とは挨拶程度の中だったけれど、最後は仲良くお話してくださり、「頑張ってね。」と明るく応援の言葉もかけてもらった。

 

職場を変更するにあたって、社長との関係が後味の悪いものとなってしまった。

精神を物凄くすり減らしたが、最終日が近づくにつれて、同僚の温かさに気付くことが増えた。

優しさに触れるたび、嬉しさやありがたさとともに申し訳なさが込み上げてきた。

人間関係はとても難しい。

相手に否があることもあるが、自分が変われば相手の対応が変わることもある。

自分が早くに変わっていれば色々と変わったのだろうか。

 

職場を変更するという自分の選択に後悔はしていないが、これからの生き方で活かすべき反省点がたくさんある。

そして、後悔はないが、不安だ。

今の自分だからこそ強くいられるが、今回の選択はたくさんのリスクを伴ったものだから。

 

写真は、引っ越し先ののどかな風景。

一本道の先にたたずむ背の高い木。

芯を強く、諦めずに進もう。