パティシエ見習い in ドイツ

ドイツのケーキ屋で見習いしてました。日々のつぶやきと製菓・カフェにまつわる情報の記録。

世界の端のカフェ”Das Cafe am Rande der Welt” その①

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今回ご紹介する本"Das Cafe am Rande der Welt"の中の好きな一節。

自分が望むように歴史を書くことができる、自分自身がその著者なのである、ということを、単に知らない人もいる。

Einige Menschen erkennen bloß nicht, dass sie selbst die Autoren sind und die Geschichte so schreiben können, wie sie es möchten.
ーJOHN STRELECKY, “Das Cafe am Rande der Welt“, dtv, 2007, S.120

 

この本の主人公はとある会社のマネージャー。

仕事から距離を置くために休暇を取り、車で旅に出たが、彼は道に迷い、不思議なカフェにたどり着きました。

 

彼がメニューを裏返すと、そこには3つの質問が…
WARUM BIST DU HIER?(何故あなたはここにいるのですか。)
HAST DU ANGST VOR DEM TOD?(死を恐れていますか。)
FÜHRST DU EIN ERFÜLLTES LEBEN?(充実した生活を送っていますか。)

 

なんだかこの質問だけ聞くと、自己啓発のための堅苦しい本のような感じがしますが、この本は、主人公とカフェの店員、お客さんとの間で行われる話にそって、大切な人生の教訓を教えてくれるものです。

 

実は、こうした問いかけに似たものを、私もドイツで製菓を学ぶと決心して行動するまでに、自分自身に投げかけ、それに対する答えをもんもんと考えていました。
そして、自分がその当時考えていたことと共通することが、この本にはたくさん描かれていて、違う国の人でも同じようなことを考えている人がいるものなんだ、と安心したとともに、
私はこれからやってのけられる、という勇気と、未来に起こることに対するわくわく感をもらいました。

 

一度目はほとんど辞書を使わずに読み、二度目は辞書を使いながら細かく時間をかけて読みました。

元々辞書なくして洋書を読むことがなかなかできず、いつまで経っても読み切れないということの多かった私が、一日二日のうちに読み終えてしまいました。

辞書を使ってみると、ドイツ語の面白い慣用句や、普段使いできそうな単語も多々あり、ドイツ語学習にもおすすめです。

 

さて、少し前置きが長くなってしまったので、その②で、私が大切だと感じた教訓をご紹介したいと思います。